まめそだて

初期流産を経て、2018年10月に長男を出産。2021年8月、長女誕生。全く仕事に活かしていない2級FP技能士。妊娠中・産後・育児のあれこれ、感じたことや日常役立ったことを綴る雑記ブログです。

出産前に読みたい育児本「お母さんの敏感期」

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こんにちは、まめこです。

 

息子を妊娠中、健診のNST(ノンストレステスト)で動けない時間が結構あって、育児本を読んだりして過ごしていました。

その時に読んだ本で、その後の私の育児の指針になった本があります。

最近、2人目妊娠中のNSTでまたこの本を読み直して、改めて「これから子育てする人におすすめしたい本だな」と思ったので、紹介したいと思います!(もちろん、今子育て中の方にもおすすめです!)

今回紹介する本は、相良敦子著「お母さんの敏感期 モンテッソーリ教育は子を育てる 親を育てる」です。

モンテッソーリ教育の根っこを教えてくれる本

この本はサブタイトルにある通り、モンテッソーリ教育に関する本です。

モンテッソーリ教育といえば、最近はgoogle創業者のラリー・ペイジ、facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ、数々の最年少記録を打ち立てている藤井聡太棋士が受けていた教育として知られていますね。

そう書かれると、「いやいや早期教育、幼児教育にそんなに力を入れる気はないし。」と思ってスルーしてしまう人もいると思うのですが、モンテッソーリ教育とは本来、英才教育というものとは別物なのだと思います。

 

私がモンテッソーリ教育に興味を持ち、この本を手に取るきっかけになったのは、モンテッソーリ教育を行う幼稚園教諭になった高校の同級生のfacebookの投稿でした。

彼女がモンテッソーリ教育について、「子どもを自律に導くための教育」「子どもが自分を生きることを手伝う」と書いていたのが印象に残りました。

いまの多様性の時代を生きるにあたって、「自分はどうしたいか」「自分はどう考えるか」をちゃんと持っていることは相手を尊重するためにもとても重要だと私は思っていて、子育てにおいて大事にしたいポイントだと思っていました。なので、モンテッソーリ教育はそのヒントになるんじゃないかと考えたのです。

この本を読んで、モンテッソーリ教育とは、大人が子どもを指導することではなく、子どもが自分で気付き学ぶことを助けて自主性を伸ばすことだと分かりました。

つまり、子どもの成長に大人がどう向き合ったらよいかというところが書かれていますので、英才教育の一種と思わず、読んでみてほしい本です。

敏感期を知ることは、子育ての予習

この本のテーマは「敏感期を知ること」です。

敏感期とは、モンテッソーリが発見した、子どもがある一定のことを体得しようと、そのことに対してとても敏感になる時期のことです。

子どもの育ちとは無秩序に進むものなのではなく、例えば身体的にはみんな首すわり→寝返り→お座り→ずりばい→たっち→歩くという成長過程を歩むように、特定のことを学ぶ時期が順番にくるようです。それが敏感期です。

敏感期にある子どもは、その時期に学ぶ必要があることを完全に自分のものにするまで、何度も何度も同じようなことを繰り返してチャレンジします。

何も知らない大人にとっては、それがいたずらやこだわりのように映って、「子どもの困った行動」ととらえられてしまいがちです。

しかし、敏感期の存在や、どういう敏感期がどの時期に来るのかを知っていれば、子どもの行動を観察して、「あ、今は〇〇をできるようになろうと繰り返している最中なんだ」と気付くことができます。

ということで、敏感期というものを知っておくことは、子育てのなかでこれからぶつかりそうな壁や、子どもが成長の過程で得ようとしていることを予習しておくようなものなのです。

予習しておくと少し余裕が生まれる

「子育ての予習」、このメリットは、親にとって理解できないことが減る→イライラが減るということにあると思います。

大人も昔は子どもだったのに、なぜか大人にとって子どもとは理解不能な部分が多くあり、理不尽なように感じられてイライラすることがたくさんあります。それって、「よくわからない」からイライラする部分もたくさんあるんだと思うんです。

でも、敏感期を知っておけば、「子どもがなぜそれにこだわるのか?」「子どもがなぜそんな行動をとるのか?」といった大人にとって理解不能な事態を理解するヒントを持った状態になれるわけです。

いたずらのように思えても、「もしかして、〇〇の敏感期なのかな?」と気付ければ、一旦やらせてあげようと思えたり、触ってほしくないモノの代わりに同じような体験ができるモノを提案できたりするようになり、子どもも大人もイライラすることを減らせます。

大人がイライラする代表格として、2歳前後から始まる「イヤイヤ期」が有名ですが、これも敏感期を知っていることで全てを解決できなくても、ある程度は余裕を持って接することができそうです。

この本の中には色々なエピソードが書かれていますが、産前の私にとって衝撃的だったのは「秩序の敏感期」のエピソードでした。

子どもは秩序に非常にこだわりを示す時期があり、物の配置がいつもとちょっと違うだけで猛烈なイヤイヤにつながってしまうことがあるようです。

言葉が上手に話せる子なら、「いつもと場所が違うから嫌だ」と教えてくれるでしょうが、まだ上手に話せない子だったら、そんなことで泣いているとは敏感期を知らなければ到底気付けないだろうな、育児とはなんと難題だらけなんだろう!とショックを受けました。

頭の片隅に「秩序の敏感期というものがある」と入っていれば、もしかしたらいつもと違うものが置いてあるせいだと気付けるかも・・・気付けたらラッキーくらいのレベルだとは思いますが、知っているのと知らないのとでは一見理不尽な子供の要求を理解できるチャンスの大きさは大違いだと思いますし、イライラする前に一旦「なんでだろう?」と考える余裕も生まれると思います。

それと、敏感期については、「一度体得できてしまえば、それに対する情熱はあっという間に失われてしまう」ということも本の中で書かれています。これを知っておくのも余裕に繋がります。

例えば、ティッシュペーパーを箱から無限に引っ張り出されるというのは赤ちゃんあるあるなのですが、それを通じて「つまむ」という動作を赤ちゃんが体得すれば、ぱたっとやらなくなります。実際うちの息子もそうでした。

それをやるのは一時期だけ、と終わりが分かっていれば、気が済むまでさせておこう(その方が早く終わるだろうし)という余裕も生まれますよね。

子育て中に読み直すとさらに納得

今回、2歳の息子を育てているタイミングで改めてこの本を読んでみて、「あーわかるわかる」という部分がたくさんありました。

息子が生まれる前にこの本を読んでいたので、「運動の敏感期」というものがあることを知っていて、そのおかげで息子の行動を理解できることも多かったなと今までも感じています。

たとえば、噴水の縁に登って歩きたがるとか、なぜか後ろ向きで歩きたがるとか、溝を飛び越えるのを何度も何度も繰り返して全く先に進めないとか。

危ないし、時間もかかるので、何も知らなければやめさせていたかもしれませんが、「今、息子は細い足場を歩いて体のコントロールを身につけようとしているんだな」というようなことに気づけるようになり、周りの状況などで危険がない時はなるべく好きにさせるようにしていました。

改めて読んでみると忘れている部分もあり、出産前に読んだ時よりも実際の経験で「確かにこんなことがあったな」と連想できるようになったので、より気付きが多くあったかなと思います。

特に、タイトルになっている「お母さんの敏感期」という概念については、改めて読んだからこそ納得感が増したかもしれません。子どもの敏感期と同じように、子育てを始めたばかりの親は、子どもの行動を観察することで子どもの育ちに寄り添うことを体得していく敏感期にあると言えるんですね。

ここでしっかり体得できていると、その後も長く続く子どもとの関係性の保ち方に迷ったときに、立ち返る土台が作れるのかなあなんて思ったりします。

時代錯誤な部分はあっても、時を超えて通用する知見

いい本なのですが、残念なところもまあまあありまして、まず今だったらこのタイトルじゃ売り出せないよな・・・と思うような「お母さん」の記述。

何もかもお母さん向けに書かれていて、お父さんの存在は全然ないですし、「今どきのお母さんはレトルトを使わないで手作りしましょうというとムッとするような顔をする」みたいな記述が出てきたりします。

それと、今では発達障害の特徴のひとつとされている「クレーン現象」について、大人の接し方が悪かったかのように書かれていたりと配慮に欠ける部分があり、そこに嫌悪感があって読み進められない方も居るかもしれないです。

これについては、この本が書かれたのが1993年と、約30年前だったから・・・今ならとんでもない記述でも、著者の相良先生はすでに亡くなっているので、そのままなのかもしれません。残念ですがここには目をつぶって読むしかないです。

ただ、時代を超えても、敏感期というモンテッソーリ教育の知見は、子育てに困る親にとって普遍的で有効なものだと思います。なので、今の価値観に合わないような記述は、「こんなくだらないことをいう時代もあったんだな・・・」と読み飛ばしつつ、必要な部分を得るように読むのがおすすめです。

本の中ではとにかく「お母さん」とばかり書かれていますが、子育てをするのも子どもの行動がよくわからず困るのも、何もかもお父さんだって一緒なので、お父さんも読んだ方が良い本です。

 

また、本の最後のほうに、モンテッソーリ教育の教具を手作りする方法が載っているのですが、 例えば「手首をひねる」ことを学ぶための教具の作り方に、今だったら絶対に使われそうなペットボトルの蓋が出てこなくて、化粧びんの蓋とかが出てくるところにも時代を感じます。笑

こういった教具も、いまだったら、ちょっとお高めですがモンテッソーリ教具として売っているものはたくさんありますし、こどもちゃれんじの教材も同じような目的で作られているなあと感じることが多々あります。手作りするのもアリだし、そういったものを使うのもアリです。共働きが増えている今、手間をかけることだけが子育てではないですよね。

とはいえ、本書では教具がどのようなねらいで作られているのかコメントがついているので、おもちゃを選ぶ時の参考になりますし、家財をいたずらされて困る時の代替品を作る時にも役に立ちます。古い本ではありますが、うまいこと使えば有効な部分は多くあると思います。

モンテッソーリ教育を今の時代の生活の中で実践する方法については、以下で紹介している本が具体性が高く分かりやすいです。赤ちゃんの部屋の作り方などが書かれてますよ!

www.mamesodate.com

 

 

今回ご紹介した「お母さんの敏感期」は、少し読みにくい部分はありますが、これから子育てに挑む人、今1~4歳くらいの子どもを育てていて壁にぶつかっている感じがする人には、学びがある本だと思います。

よくある「〇ヶ月(〇歳)頃には××ができるようになります!」「〇歳頃には△△をするようにしましょう!」みたいな育児本とは別に、一冊手元に置いておくと、困った時に開いてヒントを得られるのではないでしょうか。

というか、一般的な育児本を気にしすぎて、「うちの子はまだ××できない・・・」ということが気になってしまうことは、新米の親はみんな体験することだと思います。このときに、子どもの敏感期のことを思い出せれば、「今はまだ、この子にとってはその時期ではないのかも。他にもっとよく体得しようとしていることがあるのかも」と子どもとの向き合い方を思い出せるようになると思います。その意味でも、手元に置いておきたい本だなと私は思います。

「幼児教育、英才教育には興味がない」という方にも、子どもとの向き合い方を知る本ということで、ぜひ手に取っていただきたいと思います。