こんにちは、まめこです。
今回は、明るい話ではないですが・・・
2年前の今日、妊娠10週で初期流産をし、掻爬手術をしました。
その時のことを書こうと思います。
流産した当時、本当にたくさん検索して、いろんなものを読みました。
なので、私の体験も誰かの参考になればいいなという思いで、いつか当時のことを書こうと思っていました。
特に、私は部分麻酔で手術をしたのですが、あまり一般的でないため同じ経験をした方をほとんど見つけられず不安に感じたので、少しでも情報の足しになればと願います。
流産が確定するまで
赤ちゃんの心拍が止まっていることが分かったのは、妊娠10週ちょうどの日でした。
それまでは、2度心拍を確認できていましたし、特にこれといって変わったことがあるわけではありませんでした。
妊娠の経過
流産するまで、何か予兆があったかというと、それらしきものはあまりありませんでした。
最終生理日から計算すると、胎嚢が小さいとは言われていましたが、私の場合もともと生理周期が安定していないタイプで、35~40日くらいはかかることが多かったので、1~2週間は遅れていても普通かな、というくらいでした。
それ以外にお医者さんに言われたことで、経過が良くなかったのかなと思うことがあるとすれば、「胎児に比べて胎嚢が小さく、このままだと大きくなれないかもしれない」と7週頃に言われたことくらいでしょうか。
7週と8週には、心拍も確認できました。7週では小さくてよくわかりませんでしたが、8週では私の目でもはっきり分かるくらい、元気に動いていて、心拍数も125bpm、「元気ですよ、順調ですね」と言ってもらえるくらいでした。
お腹の張りのようなものはありましたが、無事に生まれた2度目の妊娠の時も同じようにありました。子宮が大きくなる時の靭帯の伸びによるものなのか、何か別の痛みなのかは、私の経験からすると、痛み方では分からないと思います。
流産する前の週の木曜と金曜は、お腹の張りがあって仕事を休みました。
月曜に出社し、溜まった仕事を片付け何とか14時過ぎに休憩を取り、コンビニにお昼ごはんを買いに行く道中で結構な量の何かがどろっと出てくる感覚がありました。
トイレで確認すると出血していました。はっきり赤い色だったので、新しい血なのかも、と思いました。手が震えました。
急いで病院に連絡し、会社を早退して病院に行きました。病院まで向かう1時間半の間、心臓がバクバクして、ひたすらスマホで検索して気が気ではなかったです。
診察を受けた時点では、もう赤ちゃんの心拍は止まっていました。
赤ちゃんは大きくなっていたし、胎嚢の形も崩れていませんでしたが、心臓は動いていませんでした。
念のため、翌日もう一度エコーをして、心拍があるかを確認することになりました。
手術をするか否か
翌日の診察でも、心拍は確認できず、流産が確定しました。
ここで、手術をするか、自然に出てくるのを待つか、という選択をすることになります。手術をするなら今日か明日入院。そんなにすぐ決めなくちゃいけないのか、とは思いますが、放っておいたら大量出血するかもしれないので仕方ありません。
私は以下の理由から、手術を受けることにしました。
仕事をしていたので、職場で急に大量出血しても迷惑をかけるし、いつ起きるか分からない自然流産を待って休み続けるのもことも難しいこと。
不全流産となってしまえば、感染症にかかって子宮摘出のリスクもあること。
手術は多少子宮の負担にはなるけれど、2回ほど生理周期を待てばまた妊娠できるし、そのための環境を早く整えると考えたらよいこと。
出血は最初の1回のみで、子宮の入り口もがっちり閉まっていたので、それを開く処置に時間がかかるため日帰り入院は無理という診断になりました。
ベッドの都合上、翌日午前から入院して、翌々日退院というスケジュールになることが決まり、手術の準備のため心電図をとることに。
今まで心電図で引っかかったことはなかったのですが、よほどショックだったのか、かなりの不整脈だったようです。この不整脈のため、麻酔に制限がかかり、私は部分麻酔で手術を受けることになりました。
たいていのケースでは、全身麻酔で眠って意識のないうちに手術をするようですが、私の場合は意識はあるまま、子宮の入り口の筋肉にのみ麻酔をかけて手術をするということでした。なので、多少痛い可能性もあると説明を受けました。
調べてみると同じ経験をされた方はほとんどおらず、不安になりました。先に書いてしまうと、そんなに痛くはなかったし、麻酔が少ない分復活も早かったので結果的に良かったかもしれないくらいです。部分麻酔だからといって怖がらなくても大丈夫だったと思います。
入院から手術、退院までの流れ
入院前日は食事の制限はなく、入院当日の朝からは断食でした。
午前に入院して前処置を行い、夕方に手術。麻酔が抜けるのに時間がかかるのでその日は入院し、翌日午前に退院するスケジュールでした。
9:00 入院
朝9時に入院手続きをしました。
採尿と血圧測定を済ませ、病室へ。血圧測定時に脈も一緒に測るのですが、自分でもわかるくらい脈が時々飛んでいました。
病室に入ってからは担当の看護師さんから、入院中のスケジュールの説明を受け、検温と現在の症状、アレルギー等の確認がありました。
面会時間が15時からだったので、ここで一旦夫は帰ることに。手術は16時半の予定です。
10:30 前処置
手術の前に、子宮の入り口を開けるための前処置をします。
処置室でもう一度エコーを確認しましたが、心拍はやはりありませんでした。
子宮口を開けるために、ラミナリアという海綿でできた棒を子宮口に差し込む処置をします。入院前に調べたところ、これがかなり痛いと書いている人が多くて、身構えていましたが・・・
実際のところどうだったかというと、私の場合、あまり痛くなかったです。
というか、「思っていたタイプの痛みとは違った」という方が正しいかもしれません。
鋭い痛みがあるのかと思いましたが、ラミナリアを入れる前に器具を入れる時にちくっとした痛みがしたくらいで、ラミナリアを入れる時の痛みは鈍い、結構重めの生理痛のような感じでした。痛いといえば痛いけど、鋭い痛みではないのでまあ耐えられるという感じ。
心配しすぎて緊張してしまうと、かえって痛みが増してしまうかもしれないので、案外大丈夫だと思っていた方が楽に済むかもしれません。
ラミナリアが膨らんで子宮口が開くまで時間がかかるので、ここから手術までは待機です。
病室に戻り11時過ぎに抗生剤の点滴を打った後、手術まで断食なのでお昼は食べられず暇なので、病院内を見て回りました。
順調にいけば出産もこの病院でするつもりでした。きっと赤ちゃんが、次に妊娠して出産するときのために、病院の見学をさせてくれたんだと思うことにして、一人の時間を過ごしました。
ラミナリアで子宮口がゆっくり開いていくために、生理痛のような痛みはありましたが、散歩をしたりテレビを見たりして意識をそらしていれば紛らわせることはできました。それより、水も飲めなかったので、喉が渇いてキツかったです・・・。
夫が面会に来てくれてからは、2人でゆっくりお腹をさすりながら、赤ちゃんと別れの挨拶をたくさんしました。誰かがいると、痛みも気持ちも紛らわしやすかったですね。
17:00 手術
他の患者さんの対応があったのか、予定よりちょっと遅めの手術になりました。
16時20分から、病室で止血剤の点滴を始め、17時に手術室へ移動。
手術台に上がると、明かりがまぶしいので目隠しをされ、手足を固定され、心電計や血圧計のモニター類や点滴など色んなものが取り付けられます。
前処置で入れたラミナリアを外します。これが一番痛かったかも。でも一瞬です。消毒がちょっと沁みました。
ここから麻酔の開始です。酸素マスクから笑気ガスを吸入します。
お医者さんから「ぼんやりしてきた感じはありますか?」と声をかけられ、「いや、割とはっきりしてます」と答えたものの、笑気ガスなので口が引きつってうまく返事できていなかったかも。
静脈に麻酔補助のペンタジンを注射してから、子宮に局所麻酔をかけます。使ったのはキシロカインという、歯医者さんで使う麻酔薬と同じものです。
キシロカインは不整脈でも使える、というか、抗不整脈の効果もあるようで、心電計から聞こえる心音が素人でもわかるくらいの不整脈だったのですが、キシロカインを打った途端に落ち着きました。
麻酔が効くまで5分放置してから、「始めますよ」の声かけで手術開始。
意識ははっきりしたまま進みますが、痛みはありません。痛みはないですが、中で何かされている感覚はあります。
思ったより奥のほうというか、おへそのあたりまで感覚があって、「妊娠すると子宮ってこんなに大きくなるんだ」とぼんやり思いました。
手術自体は10~15分程度で終わったでしょうか。
目隠しをしていた間は気づきませんでしたが、目が回っていて、眠気があるようにまぶたが重たい感じがあり、意外と麻酔が効いていたんだと思いました。ある程度麻酔が抜けるまで手術台で休みます。
手術が終わってみると少しお腹の痛みがありました。耐えられなくもないけど、長く続くようなら痛み止めがもらえるかお医者さんに聞いてみよう、と思うくらいでしたが、10分ほどすると落ち着きました。
18時ちょうどに手術室から出て病室まで歩いて戻りました。部分麻酔なので早かったですね。あっという間の別れでした。
手術後の経過
病室には食事と子宮を収縮させる薬が届いていました。とにかく喉が渇いていたのでまず水を飲みましたが、まだ麻酔が残っていて少し気持ち悪くなりました。
食事を食べて薬を飲まないと、と思いつつも、目が回っているので酔ってしまったような感じで、お箸を持つ手も重たく感じられるくらいでした。
夫と話しながら一口食べて、ぼーっとしてきて5分くらい寝て・・・を繰り返し、19時半くらいには麻酔が抜けてきたのか食事も順調に取れるようになりました。
20時半にトイレに行きたくなったので、ナースコールをして点滴を外してもらいました。「一緒に行きましょう」と言われましたが、もうすっかり麻酔も抜けていたので一人で行きました。
戻ってきて、お小水が出たかどうか、出血はあるか、お腹の痛みはあるか、食事は食べられたか、血圧・体温の確認。出血は少量ありましたが他は問題なし。
お腹の痛みは全くなく、むしろ軽く感じました。妊娠中、実はずっとなんとなく痛かったんだな、ということを実感しました。
することもないので、22時頃には就寝しましたが・・・夢を見て全然寝付けませんでした。
手術台に繋がれて、赤ちゃんがいなくなっちゃう、と思って汗だくで目が醒める。時計を見ると30分しか経っていない、という状況を繰り返しました。意識がある状態で手術を受けたことが意外とストレスだったのかもな、と思います。
ラッキーなことに個室だったので、25時くらいからは寝ることを諦めてテレビを見て気を紛らわして過ごしました。
手術後の診察と退院
翌朝、手術後の診察。エコーで子宮を確認し、取り残しがないことを確認して、退院の許可が出ました。
昼前までに手続きを済ませ、退院しました。一泊の入院・手術にかかった費用は、保険外の入院グッズ費用も含め、25,290円でした。
体調は悪くなかったので、少しでも早く元気をつけようと帰りに焼肉ランチをして帰りました。ただ、少し長めに出歩くと疲れてくらくらしてしまったので、しばらくは安静が必要なんだな、ということは実感しました。
退院した後のこと
手術についても不安なことはありましたが、退院後についても気になることがたくさんあり、当時は色々検索していたように思います。
少しでも参考になればと思い、私が気になっていたことや、やったことについて書いておきます。
仕事は約1週間休んだ
職場には、早めに妊娠を報告してありました。妊娠初期には流産の可能性があるのは分かっていましたが、いざそうなった時に急遽休むことになるため、直属の上司である社長と、他部署のマネージャー職と、自部署の直下の部下の人たちにだけ伝えていました。
結果、会社で出血して早退してから、1週間強休むことになったので、報告しておいてよかったと思います。
手術後、1週間経ってから経過の診察がありましたが、その日まで休みました。最初の数日は多少手術による負担で疲れやすかったのもありますし、心理的にも休みの間に散歩などをすることで少し気持ちの整理がついたように思います。
医療保険を請求した
妊娠前に医療保険に加入していれば、流産の手術はたいていの場合保険金の給付対象になると思います。女性特約などをつけていなくても対象です。ただし、妊娠が判明してから契約した場合は、不担保になっている可能性が高いです。
私は結婚する前に入っていた医療保険があったので、保険会社に電話して申請のための書類を取り寄せました。
診断書が必要になるため、手術から1週間後の診察の際に病院に依頼して数日後に取りに行き、保険会社に提出することになり少し時間がかかりました。
申請後は保険会社にもよると思いますが、1週間ほどで給付金が入金されていました。
入院費用は2万5千円くらいでしたが、給付金は15万近く出たので、残りは早く元気になるためにおいしいものを食べるのに使いました。
流産後の基礎体温と生理
「次の妊娠は生理が2回来るのを待ってから」と医師に言われ、早く生理が来ないかと心待ちにしながら過ごしましたが、手術後最初の生理がくるまで7週間かかりました。
元々生理周期が長い方でしたが、40日を超えてくるとちょっと不安に感じましたね。でも、やはり一度妊娠した状態から、手術をしているので、体がもとに戻るのには少し時間がかかるものなのだと思います。
基礎体温をつけていましたが、最初の生理までは体温はガタガタで、2層には分かれず、突然生理がきたという感じでした。
生理が来ない不安から、運動を頑張ったりしましたが・・・ゆったり待っていた方がよかったのかなと今となっては思います。
2周期目からは少し安定してきて高温期っぽいものが分かるようになり、3周期目にははっきり2層に分かれるようになりました。
体の回復にはだいたい生理2回分くらいかかっていたんだなと思います。生理が2回来てから妊娠にチャレンジというのも、そのくらいで体が整ってくるということなんですかね。
その後、4周期目で次の妊娠をすることができました。
気持ちの整理のしかた
流産したと分かった時、本当に悲しくて悲しくて、たくさん泣きました。
人によって、気持ちの整理の仕方は様々だと思いますが、ひとつの例として、私のしたことを紹介します。
いっぱい悲しんだ後、また元気になってお腹に赤ちゃんに来てもらえるようになるためのきっかけになれば幸いです。
妊娠の記録をつけた
お腹に赤ちゃんが来てくれたこと、それがとても嬉しかったことを忘れたくなくて、妊娠中の様子を思い出しながら細かく書き留めました。
妊娠が分かる前から、手術をするまで、どんな気持ちだったか、どんなことをしたか、夫婦でどんな話をしたか、6週目はこんな感じだった、7週目は・・・などなど、お腹の中にいてくれた子に向けた手紙のつもりで書きました。
Wordにざーっと書いて、1万字を超える超大作になりました。印刷して、母子手帳と一緒に大事に保管してあります。
書き留めて記録に残すことで、「いなくなった子を忘れたくない」という気持ちを少し晴らすことができて、また赤ちゃんに会いたいなという気持ちになることができました。
時々読み返したりしているので、記録しておいてよかったなと思います。
「忘れ物を取りに行った」と思う
流産したことが分かった時に、どこかのブログで出会った言葉です。
いなくなった子は、忘れ物を取りに戻ったんだよ。
忘れ物を見つけたらまた戻ってくるよ。
私はこの言葉が一番しっくりきました。
きっと忘れ物を見つけたらまた戻ってくる。迷わず戻ってこられるように、次に戻ってきたらもっと快適に過ごせるように、私なりの準備をしよう。
そう思うことで元気になりました。
以上が、私の2年前の経験です。
とても個人的な体験ではありますが、当時はそういった他の方の記録が心の支えになっていました。
悲しいことではあるけれど、どんなに頑張っても流産がなくなるわけではないし、だったら誰かのお役に立てればいいなと思って書きました。
少しでも、不安な気持ちや悲しい気持ちが穏やかになりますように。